職員ブログ

自立支援センターまめの樹の職員ブログです。

同僚

昔、同じ部所に、いつもクールで現実思考なOという同僚がいた。
クールで紳士な奴だが、悪く言えば、人の気持ちを理解できない、少し情に欠ける奴だった。

もう一人、このOとは真逆で、情に深く、人思いなSという同僚がいた。
本当にいい奴だが、悪く言えば、熱血バカと言うくらい熱い奴だった。

この二人と自分と、あと数名でチームを作り、大きなプロジェクトを立ち上げ、毎晩のように共に作業をしていた。

数年頑張ったが、あまり大きな成果を出せなかった。しかし、せっかく始めたことだし、続けられる限りはやっていこうとなった。


それから5年くらい経った頃であろうか。
共に頑張ってきたFという同僚が、語学勉強と資格取得の為に、イギリスに留学することになった。
5年以上も毎日のように共にしてきたプロジェクトチームの一員である。
とても寂しく辛いが、本人の夢である。
自分たちは声援を送り、最後の日には送別会を開き、盛大に送り出すことにした。

 

その送別会の日のことである。
始まってすぐに、クール野郎のOが、「もう帰らなくちゃ。」と言い出した。
えっ?なんで~?
理由を聞くと、サッカーの試合を家で観たいという。
熱血野郎Sは、「何がサッカーだよっ!ずっと共にしてきたFの送別会だぞ!録画でもすればいいだろっ!」と。
Oは、「生で観戦するからいいんだよっ!じゃあな、F。元気でなっ。」と帰ってしまった。
「おい、待てよ!」Sが言ったが、Oは無視して帰宅。。。

ちょっと気まずい雰囲気に一瞬なってしまったが、その日はカラオケまで行き、帰りは始発になった。Fを盛大に見送ることが出来た。

 

Fがイギリスに旅立ち、数日経ったある日。
いつものように、皆で作業をやっていた。
この日の作業は深夜になっていた。
Sが一服の為、窓を開けた…。
この日の夜は、とても星がきれいに輝いていて、何とも素敵な夜空だった。。。

Sは、その夜空を見て、感極まったのか、「Fは元気かなぁ。慣れない土地で体調を崩してなければいいが。。F…。元気かい?俺たちと同じこの星を見てるかなぁ?」と目を濡らしていた。。
自分らも、このSの言葉に感動し、胸が熱くなった。。
ジ~~ン。。。

……そんな空気を一気にひっくり返す言葉をクール野郎Oが放った……。

「何お前らジメッとしてんだよ。同じ星なんて見てるわけねーだろ。時差を知らんのかぁ?今あっちは昼間だよ!ば~か!」と。。

この言葉にSがぶちギレた。。
「何だよ、いつもお前はっ!?いーじゃねーか、昼でも夜でもっ!お前は感受性ってもんがないのかよっ!!」

先日の送別会の途中抜けもそうだが、長年のOのあまりにもの現実思考に、熱血バカSは耐えに耐えきれず、いよいよキレたという感じだった。

自分は二人をとめ、その日は解散。

 

翌日、OとSを別々に呼び出し、双方から話しを聞いた。何とか仲直りをしてほしいと思った。

どちらの言いぶんを聞いても、どちらも間違ってはいない。ただ、Oがもう少し、人の情みたいなことを理解してもらえればと思った。

結局、話し合いはうまくいかず、長年続いたこのプロジェクトチームは解散となった。

何とも後味の悪い終わり方になってしまった。

現在この二人はそれぞれ違う部所で、業務内容も全く異なるところにいるが、もう一度、当時のメンバーで集まって飲みたいものである。
今なら、それぞれがいろんなことの経験を積んだ大人になっているのだから。。。

文章・T