うちの施設にアルバイトや、子ども食堂のボランティアで来てくれている大学生の子が何人かおりまして。。。
去年大学生になり、来月で2年生になる子は、未だに1回しか登校していないそうで、この1年間ずっとオンライン授業だったとのことです。
「なんのために自分は大学に入ったのか。。
友だちも出来ないし、サークルなんて名前だけ。メンバーと一度すら会ったことがないです。」
…そう寂しそうに話しをしてくれました。
唯一うちにバイトに来ることで、バイト仲間や自分らと話したりできて安心すると言ってくれまして。。
ならばと思い、出来るだけ話しをしたり、その日は食事も一緒にしたり。
毎回少しでも不安を解消してあげられたらと思うのです。
少しこちらが黙っていると、
「他にもアルバイトをしたくても見つからないし、仮に見つかったとしても、月に数回しか入れないんです。」
暗い話しばかりになります。
…辛いよねぇ。
何にも悪いことしたわけじゃないのに、学校に行けないは、バイトすらないは、実家に電話すりゃ親も機嫌が悪いは。。
そりゃ暗くなりますはなぁ。
で、バイトが出来ないとお金もないので、節約が始まり、食べたい物すら我慢すると。
これは悪循環すぎる。。
「ご飯なんかさ、バイトがない日でも、いつでもうちにおいでよ。俺らと一緒に食べようよ!」
たまらなくなり、思わずこう口にしました。
そしたらこの子は、
「…ありがとうございます。」と。。
「明日はバイトないよね?じゃ、早速明日も食事だけでもおいでよ~。」
「あ、、は…はい。。」
「どしたん?あっ無理して来なくても大丈夫だからねっ。もし、来れたらみたいな。。」
「いいえ、本当に嬉しいです…。」
…と言って泣き出すのです。
「ちょ、ちょっと!なんで泣くのよっ!」
「すみません、、こちらに来るまでの交通費の出費が厳しいのです。。情けないです。。」
「そっか~。そんなん、交通費だって何とかするさっ!」
「えっ?本当ですか!ありがとうございます。。」
と、ボロボロ泣くのです。
本当にかわいそうで、かわいそうで、、。
…ったく、コロナ~。。
いい加減にしろよ~。。
「Tさん(←自分のこと)が大学生の時は、どんな感じでしたか?やっぱりバイトやって、遊んで。そんな毎日でしたか?」
…はっ!!
うん!毎日遊んでばかりで楽しかったよ!、、なんて言える空気ではないっ。
えっと~、、なんか苦労話し…。
大変だったことの話しをしなくちゃっ!
…そうとっさに思ってしまいまして。。
「俺、雪国だったからさ、冬になると屋根に積もった雪を下ろす「雪下ろし」と言うバイトがあってね。
これが当時、時給700円と高額でね。喜んでやりまくったよ~。」
「700円!?激安じゃないですかっ!」
「いやいや、俺の学生時代なんか、スーパーのバイトとか時給400円の時代だよ。
だから700円なんて言われた日にゃ、もうヒャッホ~イよ!」
「マジっすか~!?」
…やった!泣いてた顔が少し笑顔になってくれてる!
もっと笑わせたい。笑顔にさせたいっ!
「あと忘れられないバイトって言や、当直…いや当番と言うバイトだね!」
「当番…ですか?それ何するんですか?」
「上京したてのころ、同じ中学だった先輩がヤバイ組織に入っててね。
いわゆる反社会的勢力という団体。
この先輩の頼みというか、絶対に断れない命令的なバイトをやらされていてさ。
先輩が所属していた団体の事務所で、月に数回、当番バイトってのをやらされてさぁ~。」
「は…はぁ…。」
「当時まだ携帯電話がない時代でね。
シフトなんかじゃなくて、いきなり当日か、もしくは良くて前日に~、
固定電話って知ってる?帰宅すると、家の留守番電話に、
「テメ~明日20時から当番だからな!わかってんだろな!」ってメッセージが入ってるわけさ。
急に呼び出しされるから予定も全く入れられなくてさ~。」
「は…はぁ…。」
「仕事内容は、ただ事務所の電話当番してるだけなんだけど、いかんせんただの当番なんていう生易しいもんじゃないよ。
電話が鳴ったら着信音3回以内に電話を取らないと怒鳴られるしね。
声が小さいとシバかれるから、おっきな声で「はいっ!○○組です~っ!」って。
お腹こわしてる時なんかもう最悪よ~。
一応はコードレス電話機だったけど、トイレに入ると音がこもっちゃってさ。相手が何を話してるのか聞こえないのよ。
そんな時なんかもう蹴られるは殴られるはだよっ!」
「……。。」
「でね、一度思いっきり俺やらかしちゃってさ、その時なんか木刀でバチバチにされて、肩や脇腹の骨を折っちゃってね~!」
「……。。」
「もう嫌で~本当に嫌でさ、でも先輩が怖いから辞めたくても辞めれないでしょ。
地方に逃亡でもしようかって思ったよ!」
「…え?で、どうやってそのバイト辞めれたんですか…?」
「先輩がさ、とある事件で逮捕されてね。
それで長期服役することになってさ。
そのタイミングで運よく縁が切れて辞めれたのよ~っ!」
「…よ、良かったですねぇ…。。」
「そーなのよっ!はははっ!」
「……。。」
…あれ?
はっ!!
ヤバイ!引いてる!
ドン引きしてる!!
笑わせるつもりが、調子こいて武勇伝&自慢話しみたいになっちゃった!
「いろんなアルバイトが世の中にはあるんですねぇ。とゆーか、Tさん、、。
その学生時代は最悪ですね。。」
「…だろっ!?
だからさ、俺みたいなアホな学生生活送ったやつとは違って、あなたは毎日真面目に授業を受けて、バイトもこうして頑張ってさ。
とっても立派な若者じゃんっ!」
「は…はい、ありがとうございます。。」
…なんちゅー話しの締め方を俺はしてんのじゃ。。。
てか、
てかさ。
とにかく明日も元気にご飯を食べに来てね!
学生の皆さんへ。
生活が厳しくて食事もきちんと摂れていない等、いつでも連絡くださいね。
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