施設の利用者さんに向けたビジネスマナー講座ということで、先日講師を招いて学習会を行いました。
その中で、「相手の弱味を握るのも戦略の一つだ。」と講師が熱弁していました。
…相手の弱味を握る。。
はっ!!
思い出しました…。
あれや…。あの時や…。
自分は過去に、相手の「本来なら絶対に知り得ない弱味」を握り、とても得をした経験があります。
昔、広告代理店でアルバイトをしていた時の話しです。
自分が任されていた取引先の担当者が、けっこうきつい人でして、無理な注文や、理不尽な要求をされたりと対応に困ることがよくありました。
先輩からも、「お前、○○(←その会社)の窓口になったんだって?あの担当者、タチ悪いだろ~。今までに何人もうちのバイトが辞めてるよ。あの担当者のせいで!」
「はい、そうなんですよ~。行くのがストレスです。。」
「あんなんさ、バイトに任せてないで、社員が直接窓口になればいいのに、課長もそうしようとしない。バイトがかわいそうだよな。とにかく頑張れよ。」
「はい…。。」
取引先のこの担当者は、40代くらいの女性。
かなり上から物を言う人で、今の時代ならば絶対に問題になるような暴言も連発する人でした。
「あなた、ちゃんと学校出てるの?頭悪いんじゃないの?」
「こんな雑な仕事で、よく請求なんてするもんだわ。」
当時の営業という仕事は、ナメられたら終わりで、根性論が先行する時代でしたので、課長に相談しても、
「気合いだよ、気合い。あの担当者を扱えたら、この先どこにいったって通用するよ。」
「自分を磨くためにしっかりやれ。」
……気合い、自分を磨け。。。
上司からこんなアドバイスしかもらえず、厳しい時代を生きてきた営業マン。当時は沢山いたのではないのでしょうか。
ある日のことです。
この厄介な取引先に、書類の確認をしに向かいました。
担当者を訪ねると姿が見えません。
受付の方に、「○○さんはいらっしゃいますか?」
「○○は今、地下の倉庫で作業してますよ~。」
「了解しました、ありがとうございます。」
地下、、地下。
何回も訪れてるが、地下には行ったことがない。
エレベーターで地下へ。
エレベーターが開くと、真っ暗な廊下の先に、一部屋だけ電気が点いてる部屋がありました。
「あっ、あの部屋に居るな。。」
コンコン…。
「失礼しま~す。」
あれ?誰も居ない。。
棚が並んでる奥の方に人影が。
あ、居た。。。
担当者はまだ自分に気づかず、自分の方に背を向けて書類を整理していました。
担当者に近づいていき、声をかけようとしたその時です、、、
『ブっ!ブブ~!』
担当者が思いっきりオナラをしたのです!!
全く遠慮がない、100%出し切ったオナラでした。
「わ、わわっ!」
思わず自分は声を出してしまいました。
担当者もその瞬間自分の存在に気づき、、
「えっ!?えっ!?」と。。
自分は、平静を装い、
「驚かせて申し訳ございません。約束の書類をお持ちしました!」
一方の担当者は顔を真っ赤にし、
「お、お疲れ様~。早かったはね。こ、こ、こんなに急がなくても良かったのに~。あ、ありがと~。」と。。
…めっちゃ動揺してんじゃん!
てか、お疲れ様だと?
更にありがとうだと?
今の今まで、こんな優しい言葉を使ってくれたことないじゃん!!
…そして時差でオナラの強烈な匂いがプ~ン。。
う、うぷっ!!!
曲がりそうな鼻の息をとめ、
「納期はどういたしますか?」
担当者は、
「ま、ま、またこちらから連絡するわ!ははは~っ!」
と、匂いをかき消そうと言わんばかりに左右に手を大きく振っている。。
自分はとにかくこの激臭から逃げたいと思い、
「了解しました。そしたら今日はこれで失礼します~。」と部屋を出ようとしました。
「ええ、ご苦労様!」と担当者。。
「ひ~っっ!!」
…この日からです。
あれほど面倒でタチが悪かったこの担当者が、めちゃくちゃ優しく親切に接してくれるようになりました。。
課長や先輩からは、
「お前、あの担当者に何をしたの?人が変わったみたいにいい人になってんじゃん。」と言われ。
一方ではよくない噂が、、、
自分があの担当者と寝た、、
いわゆる枕営業をしたとか散々なことも言われ。。。
でも、、
でもですね。。
自分はこの担当者の名誉??を守るために、オナラの事実を決して他言しませんでした。
えらいでしょ?
えらくないですか?
「弱味を握る」と言うこと。。
講師すら一般的な事例としてこんなこと教えられないでしょ?
てか、俺が講師やるべきじゃんっ?
若い頃はこんなどうでもいい~本当にどうでもいい経験ばかりを積み、現在まめの樹の相談員として今年で25年目です!!
うちの施設、大丈夫ですかねぇ。。。
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