よく買いに行くお弁当屋があります。
ここは3~4人のおばさん達だけでやっているお店でおかずのボリュームもあるので以前から気に入って利用しています。
お昼はお弁当が中心ですが、朝はおにぎりを中心に販売している為、出勤時に利用する人にとっては大変有難いお店です。
朝6時台の早朝からでも手作りのおにぎりが買えるのは本当に嬉しい。
その日も出勤時に立ち寄りました。
「えーとね。じゃぁ梅干しと葉唐辛子で」
「はい梅干しと、葉唐辛子ね〜」
おばちゃんはガラスケースの裏側から手を突っ込んでおにぎりを取ります。
頂きまーす、と。
梅干しはちゃんとしょっぱい梅が入っていて美味しい。
僕は群馬の田舎育ちなせいかスーパーで売ってる減塩とか甘めの梅干しはどーも薬臭く感じてしまうのですが、ここのおにぎりの梅干しにはそれがなくて良いのです。
で、お次は葉唐辛子。
これがピリッとした辛さがあって何とも、、
そうこのピリッとした辛さが、、
ピリッとが……
無い。
ん!?無い?
……これ昆布だわ。
そう、おばちゃんは葉唐辛子と間違えて昆布を入れてしまったのです。
実はこうした間違えは以前からちょいちょいあるのですが大した事ではないので気にはしてないのです。
しかし2回ほど連続でそれが続くと
「裏側からでも解るように名前を貼ればいいのに」
と、思ったりします。
中にはこういうのを不愉快に思う客もいるでしょうに…
客に向かっているガラスケースの表側には「鮭」や「梅干し」といった名前のプレートがあるのにどうも裏側にはそれがなく、おばちゃん達は置かれている位置で種類を把握しているようなのです。
数日後
と、ついにその瞬間を僕は見た!
おばちゃんは葉唐辛子と言いながら隣の昆布のコーナーから取ってしまったのだ。
おにぎりの頭には中身の具材が小さくちょこんと乗っていて色別出来るのだが色味が同じだと紛らわしいのかもしれない。
あら〜、こうやって間違えてるのか(笑)
だから裏側にも名前貼っとけばいいのに。まぁいいけど。
僕は野沢菜を美味しく頂き次のおにぎりを手に取る。
「まぁこれは昆布なんだよな」なんて思いつつ一口パクッ。
醤油の染み込んだ昆布の味わいが……
味わいが……?
無い。
はいこれ「おかか」ねー!!
そう、なんとこれは「昆布の場所」にあらかじめ間違えて設置されていた「おかか」だったのだ!
もはや昆布ですらない。
その間違えて「昆布」の位置に置かれた「おかか」をおばちゃんは更に「葉唐辛子」と間違えて手に取ったのだ!、
どーゆーこと?!
未来永劫、どこまでも続く間違えの連鎖!
これは前世から続く間違えの因縁なのか!
間違えの根は深い!どこまでも深い!
ブラジルまで届くほど深い!
そー言えばたまにおばちゃんも客の背に向かって「アディオス!」と言っている気がする!
そんな訳で僕はこの先、葉唐辛子を食べられる日は来るのでしょうか。。
KS