今でこそ携帯やスマホは誰でも持っているのが当たり前の時代とな
よくうちの利用者の皆さんもスマホで撮った写真なんかを見せ合っ
知らない事も検索して教え合ったりして非常に便利に活用している
まぁしかしね〜我々が学生の頃、まだ携帯が無かった頃なんて…
と書くと決まって「出た。親父世代の昔ばなし!」なんて事を言わ
その通りです。許して下さい。
だって言いたいんだもの。。
まず家に居て「女子とお話しをしたい…」と思った場合、
今なら直接電話したりラインやメールを送ったりすればいいですが
そう、『実家』という名の本拠地に掛けるしかなかったのです。
中学生にもかかわらず女の子の家に電話する時の緊張感!
そして本拠地となるクラス女子の家には地獄の門番である、
『父親』
の存在が立ちはだかるのです。
「頼む!親父が出ないでくれ!!」
と、どれ程願って電話を掛けた事か。
一体どれ程の想像力を働かせて門番の回避を計ろうとした事か…… …
19:05
「…19時か。
あの娘の親父…確か仕事場と隣接している家だから今は帰って風呂
いや、この時間は夕飯時。そもそも非常識な電話になってしまうか
きっと親父もちょうど風呂から出ての一家団欒タイムだろう。
家族が各々の自由時間となるのは20時を回ってからか…
いやしかし20時を過ぎた電話となると中学生が掛けるにしては
『こんな遅い時間に何の用?』と、非常識な気がする。
一家が食事を終えて落ち着き、失礼にも当らない時間帯…
…19:50…
19:50なのか…?
そーだ、19:50なら親父も食事を終えて一杯やっている筈、
ほろ酔っていて少しダルい筈だから、電話が鳴っても自らは出よう
よし、19:50だ。、19:50で行こう!」
19:55
「おい何をやってるんだ俺は、、
緊張して掛けれない内に5分経ってしまったぞ、、
大丈夫、
あれだけシュミレーションしたんだ、
(↑一方的である)
もっと自分を信じて…、
もっと自分を信じてあげてぇ!!
(↑なに言ってんだこいつ)
もうすぐ世界が変わってしまう、
20時台の非常識な世界に変わってしまうよ?!
(↑なら早くしなさいよ)
よ、よし、、掛けるぞ!
かけ、、…ほんと掛けますよ?、
(↑誰に聞いてんのそれ)
掛けるぞ!」
プルプル〜ガチャ
「ぁ、も、もしもし…」
「はい○○です」
親父〜〜〜〜!!
なんで?、
あんなに一生懸命考えたのに!
、、 、
出ないって言ったじゃん!!
(↑誰も言ってない)
宿題するつもりはないけど、この事だけは真剣に考えたってのに!
(↑宿題をしろ)
必死にシュミレーションを重ねたたのにに!
(↑だからそれ一方的。あと少し落ち着け)
「ぼ、僕、KSと申しますが、○子さん、おり、おりますでしょう
「まぁいるけど……君は何?どういった用事で…」
はい。詰みました。
もう完全なる大人の圧力を前に心はぺしゃんこです。
まだヒノキの棒しか持ってないのに『ラスボス』の棲む洞窟に入っ
「ふっ…なんで入っちゃったんだろうな?
ここにはボスも棲んでるって解っていたのに。
どーせネズミしか出っこないw
…なんて。
なんで思っちゃったんだろーな。俺…」
♪もうネズミしか出ないなんて〜
思わないよ絶対〜…
ルルルル、ぜ〜たい〜…
(↑誰かこの子を救ってあげて)
と、その時、
電話の後ろから何かを察知したクラス女子の声が!
「ちょっとお父さん、それ私でしょー?!何勝手にやってんの!」
と近づき受話器を門番からもぎ取り、
あまつさえ「あっち行ってよ!」
と追い払ったのだ!、、、
強い!
なんて素敵なんだ!
見た事か!この娘は僕の味方なんだ!
残念ながらあなたでは無く、、、僕のな!
でも…
…よかった〜(泣)
…と、たかが一本の電話にもこれ程のドラマや葛藤があり、不便さと戦う為の勇気と知恵が必要だったのです。
(↑知恵は活きてなかったけどね)
当たり前になってしまうとモノの有難みって忘れてしまいがちです
でもこうした時を経て現在の便利や自由は勝ち取られたのです。
時にはこんな楽しいバカ話の一つを後世に残して行くのも使命なの
なんて思ったりします。。
KS