皆さんは子供の頃、サンタクロースを信じていたでしょうか?
我が家はサンタクロースを完っ全に信じ込ませる家庭でした。
クリスマスには靴下を枕元に置いて眠り、翌朝目が覚めると靴下が四角に膨らんでいる。
興奮して中から出すと欲しかった超合金が入っている…といった具合い。
ある時は「靴下は洗濯してまだ乾かないからお母さんのストッキングを使うといいよ」となり、翌朝目覚めると伸びきったストッキングに『ウルトラ警備隊のヘルメット』が入っていて
「たまたま良かった、、これ普通の靴下じゃ絶対入らなかったよね!」
なんて事もありました。
そのヘルメットは数週間前に街に出掛けた際に何故か立ち寄ったおもちゃ屋で見つけ、欲しくて欲しくてたまらなく、弟などは店の前で泣いて駄々をこねたモノだったのです。
後から思えばそうやって下調べをしてくれていたのだと解りました。
そうやって子供の夢を作ってくれていた事は有り難く思うのですが、問題は『いつまでその夢を見せ続けるのか』って事なのです。
うちは家庭内に留まらず、親戚のお姉ちゃんからも
「私のお兄ちゃんが窓から出てゆくサンタの背中を見たよ!」
と吹き込まれ…もう完全なサンタ包囲網が敷かれていたのです。
当時の我が家の『煙突』と呼べるものは勝手口に設置されたお風呂を沸かす為の大きなガス湯沸かし器に直結していたので、
「一体どうやってここから入って来るの?体が一回縮こまるの?」
と頭を悩ませていました。
火を消してもその機器は暫らく熱いので
「冷めない内にサンタが来て小さいまま焼け死んでたらどうしよう…」
と心配もしました。
その事にすら母は機器を触ってみせ、
「うん、ここまで冷めてれば大丈夫!」
と言ったりするのです。
小二の頃は若い主婦が自宅を開放してやっているような「英語塾」に通っていたのですが、そこでのクリスマス会の時に年下の子が
「ねぇサンタってお父さんとかお母さんなんだよね!」
と言い出しました。
僕は
「プッ、なんてバカなんだ。
なんでサンタが親なんだよ(笑)
ちっちゃい子は何も知らないな」
なんて思って先生の顔を見ると…
何故か困ったような苦笑したような顔をしてハッキリ否定しなかったのです。
何故バシーッと言ってやらないんだろう…?
家に帰って母に
「今日○○ってヤツが『サンタクロースはお父さん達だ』とか言ってたんだよ、何も知らないよね(笑)」
と話すと、何故か母も先生と同じような表情…
僕は奇妙な胸騒ぎを覚えました。
こちらは何もおかしな事は言ってない…
しかし返ってくる大人の反応がことごとくおかしい…
当たり前の常識が頭の隅で揺らいでくる…
そして
「いいかい。その事は絶対に下の兄妹には言っちゃダメだよ?」
「ぇ?、…
……、、
えぇーーッ!?」
…と、知ってはいけないこの世の重大な秘密を知らされたのです!
なんという事か。
「お前の本当の親はね…」
と、切り出されたくらいの衝撃がある。
無知だと思っていた英語塾のあいつが正しかった、、
あの時「小バカ」にしたような事を言わなくて本当に良かった、、
数日後
僕は父親に呼ばれ車で出掛ける事になるのですが、そこで見たものは…
次週に続きます。
KS
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