色気のつく中高生の時分。
異性と電話で会話する事へのハードルの高さについては以前このブログで書きました。
携帯もスマホも無い時代は家の電話に直接掛けるしかしかなかったため相手の親、特に親父さんの存在に怯えていた…という話でした。
しかしこちらにしたっていつまでもそんな事にビビっている訳にはいかなかったのです。
高校生にもなればそんな相手の親への怖れ以上に
「女子と話したい!彼女と話しをしたい!」
って意欲の方が勝るのです。
相手の家に掛ける時は誠実さを全面に押し出した好青年っぷりを発揮します。
「僕は無害です。
あなたの家のお嬢さんとお話しをするこの僕は、どこの誰よりも安全な人間です。
ご両親にとってもきっと満足の行くような…
『あの彼と接している時のうちの娘は幸せそうだな』
と思えるような、最善の人間を目指しております!」
と、心身ともにそういった真心を込めて電話を掛けるのです。
声のトーンがそれを現したのでしょうか…
ある時、相手の母親から替わって貰い電話に出た女子から
「うちのお母さんKS君の事を『女の子?』って聞いてたよ?(笑)」
と言われました。
おそらく、なるべく粗暴な印象を与えないよう、丁寧で透き通る様な清涼感のある声で
「あ、〇〇さんいらっしゃいますでしょうか?」
と言った僕の声が電話越しだと女性の声に聞こえたようなのです。
……
ふーん…
はは……
そーなんだ…
………
………
これ使えるッ!!
相手がこちらを女性だと思うならこんなに安全な事はない、
女の子が女の子に電話かけてる訳だから。
これで全てが変わる!!
スキル「女の声色」を手にした僕はそれ以降、女性の家に電話する時は女性の声色で掛ける事を心掛けました。
電話する前に何度か練習をします。
「あ"、あー。もしもし〜?
ゔ、ヴンッ、ゴホッ!も、もしもし〜?
アッ、うん…ゔんッ!!、ゴホァッ!
も…もしもし〜〜?…」
と、徐々に声のキーを上げてピッチ調整をした後で掛けるのです。
その練習のかいあってか、女性歌手の歌を原曲キーで歌える喉さえも手に入れました。
(↑なんだその成果は!)
そしてその技を身に着けて数ヶ月…
当時よく電話をしていた彼女との会話の中で僕はそのスキルの説明をしました。
「実はさ。いつも俺、君んちに電話して親が出た時には女の声色で掛けてるんだよね(笑)」
「えっ…でもうちの親、普通に男だって思ってるよ?」
……………
………
いつから〜〜ッ!!!、
それいつから?、、ずっと?!、
はっ、
恥ずかしーッです!!
一人で何やってたんだーーッ!!
……………
……
それ以降「女の声色」は封印しました。
そして次からその娘の家に掛ける時には
『徐々に声色を太くしてゆく』
という作業に入りました。
相手の親御さんが、気付いた頃には
「あれ、この人って最初からこんな声だったっけ…?」
と、自然と解らなくなるようにしなければならなかったのです。
恥ずかしい事を『恥ずかしくなかった事』に変えなければいけなかったのですね。
(↑なんの苦労だよ)
しかし今でも…
多少の努力をすればあのスキルはまた復活するのではないか?…と、思ってます。
例えば今後
前代未聞の通信障害で何十日も携帯•スマホが使えなくなった…
家電に電話を掛けるしかないが親が出そうで怖い…
そんな経験が無いからどうしてよいか解らない…
なんて事態で困るような事があれば遠慮なく言って下さい。
その時は「女の声色」のスキルを伝授いたしますので。
※バレた時の責任は負いかねますのであしからず。
KS
サザエさん生誕70年記念の初オリジナル版。全68巻の「サザエさん」の中から波平4コマをセレクション。昭和のTHE お父さん『波平さん』を再発見♪
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