100%サンタクロースの存在を信じ込まされて来た僕は、小2の時に母から遂に真実を明かされる事に…
前回に続いてのお話となります。
「サンタクロースは私達。
そしてこの事は誰にも言うな!」
…衝撃的な真実を告げられてから数日後のクリスマスイブ当日。
サンタの正体は告げられたものの、自分の中ではまだ少しの疑いが可能性を生んでいました。
「実はサンタはいるんじゃないか?
ただ何かは解らないが事情があって、僕の家には来なくなったのかもしれない。
それが可哀そうだからうちの親はバレないようにサンタの代わりを務めたのかもしれない。
きっと世の中にはそんな家もあって、英語塾のあいつの家もきっとそう…
だから先生も同情して困ったような顔をしてしまったんだ…」
そんな想いがよぎる中、父に「ちょっと行こうか」と車に乗せられました。
後部座席に座る僕に父が口を開きます。
「お前…もう知っちゃったんだろ?
ほら、サンタ。」
「…うん…」
「まぁ…だったらな」
どこに行くんだろう…
「知った」からなんだというのだろう…
もうこのまま利根川に連れてかれて流されちゃうのかな…
(↑なんで?!)
…と案ずる内に、町で一軒しかないおもちゃ屋に到着したのです。
するとそのおもちゃ屋の外には見たこともない数の自転車と車が停まっていました。
店の中に入ると…人、人、人、、、
もう子供や大人でギュウギュウに混んでいます。
え、この子達って。まさか…
と戸惑う僕に父の一言
「ほら。じゃぁお前もう自分で選びな」
……、、
げ、
現実ーッ!!
急に来た、現実、、
そう、
もうサンタの正体を知ったのだから欲しいオモチャの下調べとか面倒臭ぇーから自分で選べ、って事なのです。
それにショックなのがそこに居る子供達。
「この子ら…知ってたんだ。
世界の秘密を知ってる子がこんなに…
いつから…
いつから知ってたのか一人一人聞きたい…」
更に父が
「おい凄ぇなあれ、見てみろよ」
と言うので指差す方を見ると…
レジカウンターの台には札束が山ほど高く積まれているのです。
お札がレジの中に収まりきらず、台に列を作って積み上げられているのです。
見た事のない札束の山!
いつも優しく子供と話す店のおばさんが、今は格闘家の様な顔つきでお札を積み上げている。
、、 、
カ、…
金ェーーッ!!
めっちゃ金で動いているクリスマスーッ!!
…そっか。
この世は金なんだね。。
…こうしてその年のクリスマスは…
大人の階段を一歩登った日としての初の思い出となったのでした。
KS
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