来月、田舎の友人が結婚します。
この歳になると、結婚や出産などの祝い事よりも、何か連絡をもらう時は誰かが亡くなって告別式が…みたいなものが圧倒的に多くなりましたので、今回の結婚の連絡はとても嬉しかったです。
この友人、S。。
一生独身を貫くと言っていたのですが、人生って本当にわかりません。
出会いは素晴らしい!
…奥さんに会わせてもらうのが楽しみです。
Sという男。。
出会った20代の頃は、口数が少なく妙に冷静というか。若さのエネルギーがないというか。どうも覇気がなく。。
でも居ないとそれはそれで寂しいみたいなやつでして。
仲間同士で遊びに出掛けても、無口で会話にも入ってこず、ただ黙ってついてくる。ノリなんて全くありません。
あまりにもしゃべらないので、「あっ?お前いたの??なんかしゃべれよ~!」みたいな。
外食に行っても、注文が小声でボソボソと。
店員さんに「申し訳ありません、もう一度よろしいでしょうか。。」といつも聞き返されます。
普段は無口の上に、話しても声が小さい。。
こんなSですが、過去に一度だけビックリするような大声を出して、まさにテンパった状態を見たことがあります。
仲間数人で日光に車で旅行に行った時の話しです。
JR浦和駅前で待ち合わせをして出発。
浦和インターから宇都宮に向かう道中…。
Sは相変わらず無口で、一人ひたすらビールを飲んでいました。
「S~。ちょっと飲みのペースが早いんじゃない?」…みんなから心配されてもSは、、
「…せっかくの旅行だからよ。。」と一言ボソっと。
カーステレオから流れる音楽を聴きながら、あーだのこーだのと車内は盛り上がり。。
Sはそんな中でも風景を見ながら一人ビールをぐびぐびと。。
佐野を過ぎたあたりだったと思います。
「もう少しで宇都宮だね~。」
そんな時、Sが。。
「…トイレないかな?」とボソっと。
「トイレ?ほらぁ~お前、飲み過ぎなんだよ。あともうちょいで着くから我慢しよろっ。」
「…わかった。。」
それから15分くらい経ちましたかね。
またSが、
「…あと何分で着く?」
「えっ??」
Sの声が小さいのでよく聞き取れませんでした。
するとSが、
「トイレだよっ!!!」
「わわっ!ビックリした~!何だよ急にデカイ声で!!」
聞いたことのないSの大声にみんなビックリ。
更にSは、
「漏れる!ここで降ろせ!!」
「はっ!?なに言ってんだよ、高速だから無理だろうよ!もうちょいで着くからさ!」
Sは一人ハイペースで飲酒をし、尿意が限界。更に酔っていたこともあったのでしょう。田舎の方言まる出しで更に、
「降ろせ!!はやぐ(早く)降ろせって言ってんべ!!」
「なに言ってんだよ、降ろせるわけね~だろ!」
S
「はやぐよっ!!追いつくから!!はやぐっ!!」
「なに追いつくって!?無理だよっ!!」
S
「膀胱はすでに予備タン使ってんだよ!はやぐ降ろせっ!!」
「なに予備タンて!てか、お前おもしれ~じゃねーかっ!」
「うるへ~っ!はやぐ!!」
…完全にテンパったSでした。
宇都宮まで何とかトイレをもたせまして。
…トイレから戻ってきたS。。
何事も無かったようにスッキリした表情。。
それを見て、自分らは爆笑。
「お前、声出せんじゃん!」
「はやぐ、はやぐ、追いつくからって!」
「予備タンて!ははは~っ!!」
Sは赤面。。
酔いの勢いもあり、本性を自分たちに知られたと思ったのか何なのか。
この日から以前よりもSはしゃべるようになった気がします。会話にきちんと交ざるようになったというか。それに明るくなったというか。。
今回、Sから結婚の報告があった際に、
「あんた覚えてる~?昔日光に言った時に、道中でトイレが我慢できなくなってさ、、」
Sは、
「覚えてるよ~。あん時は恥ずかしかったなぁ~。」
「俺、今勤め先でブログをたまに書いててさ。あんたのことを書かせてもらうから、奥さんと読んでね。」
S
「え?ちょっ!なに書くのよ、やめてくれよ~っ!」
ははは。。
照れながらも本当に幸せそうなSでした。
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