職員ブログ

自立支援センターまめの樹の職員ブログです。

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病気と恋の保健室

いつからそれが始まりいつから治っていったのか…

小学5~6年生の頃は毎日のように悩み、頭痛を抱えて保健室に通ってました。

原因不明なのですが、とにかく何かを悩んでいて絶えず眉間にシワを寄せて曇った顔で過ごしていました。

どちらかというとイジメられっ子の方ではありましたが当時のイジメっ子はジャイアンの様な存在で、いざ自分が力を示す様な場面ではイジメてくるけど普段は一緒に遊んだりする関係でした。
なので特にそれが悩みの原因で無い事は自覚していました。

 

とにかく日々が重苦しく、明確な原因もなく、全てが嫌で悩む。頭痛が起こる。
倦怠感と厭世観


自習の時間にクラスメートがはしゃいでいるのを見上げて
「どーして子供ってああやってうるさくはしゃぐのだろう」
と、頭痛の頭を抑えてました。
自分も同じ子供なのに…

小学校5~6年…と書いたのも、ちょうどクラス替えのない流れもありその辺りの記憶が曖昧なのです。

 

 

 

そういえば僕は0歳の頃の記憶があり、その時のセリフや情景を親に言い当てて驚かせた事があります。
人の言動などについても妙に記憶力はある方なのですが、このモヤモヤしていた時期の記憶だけは全体がグレーで曖昧なのです。

とにかく毎日ため息をついては生きていくのを辛く感じてました。

何故そうなったのか、いつからそうなったのか…


毎日の様に保健室に行き保健のY先生という、優しいお母さん的な先生に「また来たの?困ったわねぇ…」と言われてはベッドに寝かされてました。

そこに逃げ込むくらいしか解決策が無かったのです。


悩みの原因が無いのに親や担任に言ったところで「じゃぁ大丈夫だから考えるな」と言われると思うし、自分でもそう思おうとしていました。


今思えば何かしらの精神疾患の類いだと解るのですが、当時はそうした病名などは無かったので(実際はあったのかもしれないが聞いた事は無い時代)そんな症状は「気分的なもの」で片付けられてました。

現在は診療も薬もカウンセリングも進んでいるし、うちの様な福祉施設やサービスもあります。
そこに向かおうとする気持ち一つあればいろんな選択肢があると思いますので、思うところのある方はほんの少しでいいので動いてみてほしいです。

 

 


さて…
例によって保健室のベッドで寝ていたそんなある日、部屋の中で数人の女子のヒソヒソ話が聞こえてきました。
「寝てるから…」
みたいな事を言っているのだけは聞き取れましたが頭痛で気持ち悪いし朦朧(もうろう)としているし…

少し眠り目を覚ますと顔の横に手紙が置いてあって、「?」と思いながら読むとラブレターでした。

「こういうタイミングで?!」

みたいな事ですが、生まれて初めてのラブレターによる告白。
暗い気分の頭痛と恋のトキメキとで頭の中はクラックラでした。


差出人は隣の席の子で、その一週間後には僕からも両想いである事を告げた手紙を相手の机の中に忍ばせました。


小学生同士の恋愛なんてそれ以上はどうしていいか解らず、ただ互いの胸の内には「両想いなんだ」という秘めたる約束事だけを大切に灯したまま卒業まで過ごすのでした。


鬱々とした頭痛はいつの間にか治っていましたが、小さな雲の陰りが胸の奥底に擦り跡のように残りました。


得体の知れない苦悩を抱えて通った保健室の日々。

 

捉えどころのない苦痛も、
甘酸っぱい恋愛も、
いろいろあった保健室でのお話しをさせて頂きました。

 


KS